以下は、私なりに考えてたアッシュさんに関する事です。
Changelingsの連作における、アッシュさんの考えと態度の理由。
アッシュの最初の考えは3つでした。
その1=ルークは絶対にライマの王になるべき。
その2=でもルークは我儘ばかりで王者らしい振る舞いをしないので苛立つ。
その3=ナタリアと自分が結ばれる事はない。黙して我慢するしかない。
(その2)と(その3)は、
(その1)が絶対に不動だからこそ発生する考えです。
では、自分が王になるという選択肢がアッシュの中で発生せず、
何故「ルークは絶対にライマの王になるべき」と思い込んでいるのか?
それは、ロイヤルアイシング第00話での出来事がトラウマになっているからです。
父親が言っていた、
『お前が人間として生きられる場所は、ライマの玉座のみ!』
という言葉が、深層意識というのか…とにかく、根深い場所に残っているのです。
ルークは王にならなければ、人間として生きられない。
父親がルークを傷付けていたように、きっとルークは酷い目に遭う。
…そんな風に、無意識の内に思い込んでいます。
記憶喪失になって以降、ルークと離れて暮らしていたアッシュは、
ルークが記憶喪失や筋力の萎えてしまった身体で苦しんでいた事を知りません。
だからこそ、ルークが無神経と無知のあまりに我儘を言う姿を見て、
苛立ちを抑える事も出来ず、無神経に「この屑が!」と罵ってしまう訳です。
「この屑が!もっとライマの王に相応しい思慮深さを持ち、
民が信頼を寄せるようなライマの王になれるよう努力をしろ!」と言いたい訳です。
言葉が足りないのは、ファブレ家の遺伝でしょう(笑)
そんな状態で、チェンジリングス本編軸に入る訳ですが。
アッシュから見れば、ルゥはさぞや理想の兄として映った事だと思われます。
謙虚で、ヒトの話に耳を傾け、自分をあまり主張せず、
積極的に周囲の為に動き、不慣れな事でも出来るように努力するルゥ。
しかも、ルゥの方がアッシュを慕い、気遣い、立ててくれる訳です。
この頃は、わりと無茶をするルゥを見て、アッシュも手助けしたりしています。
どちらかというと、アッシュが兄で、ルゥが弟のような関係が出来上がってました。
ルゥは、アッシュの保護範囲内。
思わず『ルークもルゥも元に戻らない方がいい』なんて口走っちゃう気持ちも、
分からないでもないですよね。ヴァン師匠は尚更それを感じていたと思います。
この時点で、アッシュが気付いている点は1つ。
自分とヴァンは、オールドラントでは死んでいるのではないか?
実は、怪我をしたアッシュを見て、ルゥがひどく取り乱した…という事件があって、
そのせいでアッシュは気付いた…という経緯があります(裏設定。笑)
アッシュは、ルゥもオールドラントで死んでいる…という事には、
この時点では気付いていません。
ルークが目覚めない理由は、本人の意思で目覚めないのではなく、
何らかの障害があって目覚められないのか?…くらいに思っていた筈です。
続いて、スリーピングの時間軸に突入。
ユーリが「ルークが目覚めた。ルゥは死んだらしい」と、ガイとアッシュに告げます。
その言葉に対するガイの反応にお気づきでしたでしょうか?
普通、いきなり理由も告げられず「死んだ」と聞かされたら、驚くものです。
現にアッシュは驚愕と憤りを表しています。
ですが、ガイは驚かずに、「沈痛な表情」をする訳です。
ガイは気付いていた訳ですね。ルゥがオールドラントで死んでいる可能性に。
ルークが目覚めたのは、ルゥがオールドラントに還ったからであって、
ルゥは還ったと同時に安らかな眠りについたのだろう、と理解した訳です。
ここは、さすが親友!と思って頂きたいポイントでありました。
(ガイルク好きなので。でも、ユリルク話なので、こっそり。笑)
ルークはエステルに対しても「死んだと勘違いして」と説明していたように、
ルゥがオールドラントで死んでいるという事実を、濁して隠しました。
それは、何故なのか?
…ちょっとネタバレですが、説明させて頂きます。
それは、ルークのルゥ化が進んでいたからです。
ルークはルゥの記憶を疑似体験する事によって、
ルークはルゥと同じ思考、同じ表情、同じ口調へとかなり近付いていました。
実は、ルークがルゥの演技で周囲を騙し通せたのは、
ルゥ化が進んでいたおかげで、本人も無理なく行う事が出来たからです。
ルゥがオールドラントで死んでいるという事は、
ルゥ自身、周囲に隠しておきたい事でした。
周囲にいる優しすぎるギルドの仲間が、自分の事で傷つかないようにと考えて。
ルゥ化が進んでいたルークも、
ルゥと同じ思考を持ち始めていた為、無意識に、その事実を隠そうとしました。
多分、エステルには、
「ルークが言った事は、全部勘違いだから、皆には言わないでいてほしい」
…とか何とか言って、口止めした筈です。
でも、その遣り取りを聞いていたアッシュは、
これまでのルゥの言動と考え併せて、気付きました。
本当は、ルゥもオールドラントで死んでいるのではないか、と。
それから、ルークが眠って、ルゥが活動する…という日々が続きます。
ルークが眠っている事実を前に、アッシュは罵ったりしませんでした。
ルークはルゥの為に眠っているのではないか。
ルークはルゥと共存しようとしているのではないか。
自分と同じように、ルークもルゥを大切に思っているのではないか。
…そんな風に思ったからです。
ルークが眠り続ける現状を静観しているような状態でした。
でも、まさか、
ルークがルゥを呼び戻して、自身を消滅させようとしているとか、
その為に睡眠薬に依存しているとか…なんて事には、気付いていません。
事件が発覚した時、
眠りが浅い体質らしいルゥが睡眠薬を求めるのは仕方ない事だけど、
ルークが睡眠薬を求める必要性は感じないので、
もしルーク主体で薬物売買に関わっていたなら、くだらない理由しか考えられない。
そんな風に考えて、思わず無神経に『王位継承者として相応しくない行いをするヤツなど、生き恥を晒すくらいなら、死んだ方がいい』と言ってしまった訳です。
実は、この言葉には、かなり複雑な意味合いがあります。
言葉通りの意味と、トラウマからきた意味です。
ルークが男達に犯されかけたのはベッドの上で、
幼い頃、父親に剣で刺し貫かれたのもベッドの上。
そのせいで、アッシュの脳内で、かなり混線したものと思われますが、
「男に犯されるという生き恥を晒すヤツは、王に相応しくない」
「苦しい思いをするくらいなら、死んだ方がいいのではないか」
「王になれずに武器扱いを受けるルークは、生きても地獄しかない」
…色々な思いがあったと思います。
でも、単に、無神経ゆえの失言だった…というのも大きいのですが(笑)
(アッシュもルークに負けず劣らず失言キャラだと思うのですー)
この混線の結果、忘れかけていた当時の事を色々と思い出して、
ついでにローウェル氏の事まで思い出しちゃった訳ですが(笑)
ロイヤルアイシングでは書かなかったのですが、
昔の夢を見た頃のアッシュは、
ルークがルゥを守るように、
アッシュも別の形でルゥを守ろうと考えるようになっていました。
で、ユーリが騎士団長の息子だという事に気付いて、
しかも、ルークを目覚めさせる役目を担うという事を知って、
ジェイドに掴みかかっていきました(笑)
「貴様がルークをどうしようが勝手だが、それにルゥを巻き込む事は俺が許さねぇ…っ!」
とかユーリに言うてやがりましたが、
ルークとルゥが同じ一つの身体を使っている以上、
ルークだけ、あるいは、ルゥだけを、どうこう出来る筈はありません。
ルゥはアッシュの保護範囲内でしたが、
ルゥを守っているルークも、アッシュの保護範囲内に入ったのです。
なので、
「以前のルークなら違っただろうが、今のルゥを守っているルークは俺が守る!」
…というのが本音(笑)
それがアッシュのツンデレ思考で脳内変換されると、実際のあのセリフになる訳です。
で、ユーリさんは、
そのアッシュ(やルーク)のツンデレ思考による脳内変換を理解できる希少種(笑)
アッシュの思いはしっかり伝わったみたいです。
そのせいで、
ルークを支えるのはアッシュ。自分は身を引くべき…的な思考に陥った訳ですが。
つまり、現時点では、
本当の意味で、アッシュはまだルークを完全に認めている訳ではないのですが、
ルゥを介した上でなら、アッシュはルークと共同戦線を張れる…という状態です。
いずれ、この状態を抜けて、
ルゥを大切に思う事が出来るくらいの思いやりがルークにはある。
ルークに足りない部分は、自分が補っていけばいい。
必ずしもルークが王になる必要はなく、自分が王になってルークを守る手段もある。
…という理解と思いへ繋がっていく事になります。
そして、この状態がギリギリのラインだと思って書きました。
これ以上は、アシュルクになっちゃうので(笑)
アッシュの黒歴史ですが(笑)
勢いに任せて、多くの仲間がいる食堂で「王になる」と言ってしまった事です。
黙して語らず速やかに実行…という美徳を抱いている?アッシュにとって、
後で、じわじわくる黒歴史だと思います(笑)
…という感じで書いたつもりですが、ご理解頂けたら嬉しいです。
ここまで補足しなければならない、言葉足らずな小説ですいません。
とりあえず、アッシュの事は横に置いといて(笑)←ちょっとww
これから先の展開では、
ぐるぐる思考に突入したユーリさんや、やっぱり可哀想な感じのルークや、
最終的にルゥはどうなるのか…な辺りを楽しんで頂けたら、凄く嬉しいです。
こんな所までご覧頂きまして、誠にありがとうございました!!
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